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【人工知能】天使か悪魔か AIの進化で世界はどう変わる?

先日、Nスペ『人工知能 天使か悪魔か 2017』を見ました。
(16年5月に放送された番組の第2弾)。

参照:人工知能の進化がスゴいらしいけど、現在どうなっているの?

 

「天使か悪魔か」というタイトルからして、なんだか不安を煽られているような印象が強いですが・・・。

前回の放送ではディープマインド社が開発した囲碁AI「アルファ碁」が世界トップクラスのプロ棋士に勝利したことが大きなトピックスとして取り上げらえていました。

今回は日本国内の将棋の電王戦(17年4月と5月)で佐藤天彦名人と将棋AI「ポナンザ」との対局が行われ、トップレベルの棋士である佐藤名人がポナンザに敗北した話題が取り上げられていました。

人工知能(AI)の進化は目覚ましく、囲碁や将棋で人間がAIに勝つのはもはや無理といっていいレベルに達したようで、アルファ碁のプロジェクトもすでに終了しており、これで人間VS人工知能の戦いは人間の敗北ということで確定したようです。

 

人工知能が進化することで、社会がより良くなるのであれば結構なことではないかと思うわけですが、その進化のスピードが近年あまりにも加速を早めているため、人工知能によって社会はどう変わるのか?不安な面もありますね。

番組の冒頭で、番組の案内人であり将棋プロ棋士である羽生善治九段は、AIについて以下のように述べていました。

「人工知能と棋士の対局は、未来社会の模擬実験的なことをやっているのではないかと思います。コンピューターと人間の棋士との間で起きている様々な事象が、今後人工知能が社会で応用されていく時に想定される事態を先取りしているように思えるのです」。

 

囲碁や将棋の場合、勝ち負けがはっきりしていて話題としてセンセーショナルだし、人工知能の目覚ましい進化が、我々一般大衆にも一聞で分かりやすく伝わるので、「人類の敗北」というアナウンス効果が高いですね。(人間VS人工知能の対立構図になっているので、「人工知能の進化=脅威」の側面が強調されていますね)。

プロ棋士にとって人工知能の進化は存在意義を揺さぶる脅威的存在だったかもしれませんが、
今後はプロ棋士以外の人にとっても人工知能が脅威となり、社会のあらゆる分野で人間にしかできなかったことが人工知能・ロボットに置き換えられることになっていくんでしょうかね。

 

すでに取り入れられている人工知能の事例

今回の番組では、人工知能の活用例として以下のような事例が取り上げられていました。

 

・AIタクシー(リアルタイム移動需要予測)

名古屋のタクシー会社で17年6月から人工知能による「リアルタイム移動需要予測」システムが導入されたとのこと。

開発を行ったのはNTTドコモ。

携帯電話事業者の強みを生かして、GPSによる利用者の「位置情報テータ」を活用する。

位置情報データがあれば、どこにどれだけの人がいるのか一目瞭然で掴むことができる。そこにタクシー会社が集めてきた過去の乗降データ(いつどこで客を乗せたのかというデータ)をかけ合わせる。さらに、天気、日付などによって乗客の行動がどう変わるかも計算に入れることで予測の精度を高めるとのこと。

このシステムを取り入れたことで、乗客数(売上げ)が20%アップしたとのことです。

 

・投資取引AI

以前は株など投資取引の現場では、「花形トレーダー」が活躍していて、経験と反射神経を頼りに業績を競い合っていたようなのですが、現在では投資取引のほとんどはコンピュータが行っており、花形トレーダーはすでに不要な存在になっているとのこと。

特に最近では「AI株価予想システム」が進化しており超高速化した取引がAI同士で行われており、もはや人間の出る幕ではないようです。(いかに優秀なAIを開発するかで勝負が決まる)。

 

・AIが人間を評価する

シンガポールでは、すでにいろいろな場所でAIが活用されているようで、今回の番組では「事故を起こしやすいバスの運転手」をAIが見つけ出す事例が紹介されていました。

さらに日本でも、人間をAIによって評価するシステムを導入する会社が出てきているようで、病院の受付・医療事務員の派遣会社の評価システムの事例が紹介されていました。

社員に仕事に対するアンケートを書いてもらって、その文章をAIが分析すると「辞めそうな人」をあらかじめあぶりだすことができるのだとか。

 

・受刑者の再犯を予測する

これもAIによる人間の評価の事例。

アメリカでは受刑者の再犯率が高く刑務所が足りなくなるため再び犯罪を犯しそうな受刑者をAIによってピックアップしているとのこと。

受刑者のデータを入力すると過去の膨大なデーターに照らし合わせて、再犯を犯す可能性の高い受刑者をあぶりだし、それが刑期を決める判断に生かされているとのことです。

 

 

名古屋のタクシー会社がAIによるシステムを導入したことで売り上げが上がったのは喜ばしい成果かもしれませんが、同じシステムを他のタクシー会社が導入したらすぐに優位性が失われそうですね。それに、人工知能がさらに進化して自動運転車が実用化されたら、やがてタクシーやトラックのドライバーが不要になってしまうんでしょうかね。

株の取引では、かつて活躍した花形トレーダーはすでに不要な存在になったようだし。タクシーやトラック、バスや電車などの運転手が将来人工知能に置き変わっていくのであれば、かなり多くの雇用が失われそうだし影響が大きそうですね。

また人間がAIに評価されるというのも、慣れるまでは抵抗感がありそうですね。
受刑者の刑期にAIの評価が影響を与える事例が紹介されていましたが、やがて裁判官などもAIに置き換わるんでしょうか。
それで冤罪が減ったり判決までの期間が短くなればいいけれど、自分の運命が人工知能にゆだねられることには、感情的な抵抗も出てきそうな気がしますね。

 

 

人工知能が社会をよりよく変えてくれるのなら、歓迎すべきなんでしょうけど、それで失業する人もいるだろうし、色んな分野で人間が活躍する余地を人工知能に奪われていく一方になるのであれば、段々人間の存在がつまらないものになっていくような気もしますね。

人工知能が天使になるのか悪魔になるのか? 社会全体にとっては概ねメリットが大きいようではありますが、それで利益を享受する人とそうではない人とに別れていく流れになるんでしょうかね。(まあ使い方次第なんでしょうけど)。

変化が速すぎると色々問題も出てくるかもしれませんが、テクノロジーの力で時代がどう変わるのか?どんな新しいものが出て来るのか?不安な面もありつつ楽しみでもありますね。