「江戸東京たてもの園」に行ってきた

先日「江戸東京たてもの園」に行ってきました。

江戸東京たてもの園とは、

・失われてゆく江戸・東京の歴史的な建物を移築保存し展示する目的で東京都小金井市の都立小金井公園内に設置された野外博物館。

・高い文化的価値がありながら現地保存が困難となった江戸時代から昭和初期までの30棟の建造物を移築復元し展示している。

スタジオジブリの映画『千と千尋の神隠し』の舞台のモデルになったことでも有名になりましたよね。

「千と千尋」以外でも、NHKの朝ドラなど、歴史もののドラマや映画のロケ地としてこれまで色々な作品に登場してきたようです。

最近自分は、マンガ『ふしぎの国のバード』やその原作『日本奥地紀行』を読んでいたので、にわかに江戸時代(~明治初期)の暮らしに興味がわいてきて、江戸時代気分を味わってみたくなり、ふらっと散歩がてら小金井公園内にある「たてもの園」に行ってきました。(今回初めて行った)。

江戸時代だけではなく明治、大正、昭和にわたって、歴史的・文化的な想像力を掻き立てられる興味深い建物が色々揃っています。

複製ではなく実際使われていた当時の建物を展示してあるので、リアルな歴史や当時の生活・文化が感じられ、時間が止まったような・タイムスリップしたような不思議な非日常性を感じさせられる楽しい場所になっていました。

歴史が好きな人にとっては、建物自体が参考資料のようになっているので、本や写真ではわかりにくいことでも、「なるほどこういう感じか」と色々発見があって楽しいと思います。

江戸時代の農村部にあった民家は4軒。(農家が2軒と、郷士(同心)の家、名主の家)。

上の写真は江戸後期の農村の茅葺き民家。

森の中にキノコが生えているような、日本の自然の風景にしっくりと馴染んだ佇まい。

「茅葺き」の民家は20世紀半ば(第二次大戦後)までは山間部に多数残っていたらしいのですが、現在は保存されているもの以外はあまり残っていないようです。

茅葺き屋根は20~30年経つと取り換える必要があるため、時代が変わるとともに消えていくのも早かったんでしょうね。

▲囲炉裏の煙で燻され天井が黒く燻製された状態になっている。

茅葺き屋根はススキなどを束ねて屋根の骨組みに縛り付けているものですが、見た目の印象だと雨水が沁みてきそうで、雨漏りしないのが不思議な感じがします(古くなると段々雨漏りするんだろうけど)。

通気性・断熱性に優れているなどメリットも多いといわれている茅葺き屋根ですが、放っておくと腐敗したりカビが生えたり、虫が湧いてきてしまう。(ムカデやヤスデなどが天井から落ちて来るらしい・・・)。

茅葺き屋根を長持ちさせるためには、日常的に囲炉裏やカマドに火を入れ、薪の煙で天井を燻す必要があるとのこと。

私が見に行った時にもボランティアスタッフの人が囲炉裏に火を入れて煙で屋根の茅葺きを燻していました。

日常的に煙で燻すことで、屋根が燻製された状態になり腐りにくく、虫が湧いてくるのを防ぐことができるとのこと。
(煙で燻していれば20~30年持つらしい)。

真夏でも囲炉裏に火をつけて煙を出さないといけないし、維持するのも結構手間がかかるんですね。

家の中で火を焚くわけですから、昔は煙やすすなどで目や肺の病気の原因にもなっていたようです。

昔の生活は自然と一体感があるのはよさそうに思うけど、日常の暮らしの中にも不便や苦労が沢山あったんでしょうね。

▲「千と千尋」に出てくる不思議な町のモデルになった看板建築の商店

▲「武居三省堂」店内。「千と千尋」の釜爺の部屋のモデルになったのだとか

▲明治初期ごろ建てられた旅館

▲旅館の中

▲昭和初期に建てられた銭湯「子宝湯」

▲子宝湯の浴場

▲高橋是清の家

▲2・26事件で高橋是清が暗殺された部屋

江戸時代の民家が見たいと思って「たてもの園」に来たんですけど、もう一つ見てみたかったのが映画『千と千尋の神隠し』のモデルになったという建物など。

まあ「千と千尋」もだいぶ前の作品になるので、今更のような気もしますが、実際見に来てみるとやはりそれはそれで興味深く面白かったです。

看板建築の商店が並んだ商店街、その突き当りにある銭湯、あとその近くにある黄色い都電の車両など、それらの配置などから見て、この場所を原型としてイメージを膨らませて映画を作ったらしいということが確認できました。(ここにある建物だけをネタにしたわけではないんでしょうけど)。

江戸から昭和まで全部で30棟の建物があり、もっと沢山あってもいいのでは? と思わなくもないのですが、物足りないわけではなく、各時代の建物が満遍なく配置されていて、見どころが多い野外博物館だと思います。

展示されているのは「高い文化的価値がある」ものが選ばれているので、自分としては貧乏長屋などの貧しい暮らしとか見てみたいように思いましたが、そういうのは展示の趣旨が違うんでしょうかね。(安普請の建物は長く残らずすぐに消えていったのかもしれない)。

天皇陛下の生前退位で「平成」も来年で終わりですが、平成時代の建物もいつかこういう博物館に展示されるようになるんでしょうかね(平成ならではの文化的価値がある建物とかあるんだろうか・・・?)。

夕方近くに行ったら割とすぐに閉園時間になって、じっくり見れない建物もいくつかあったので、きっかけがあったらまた行ってじっくり建物を観察しようかなと思います。

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