「夢で見たあの子のために」 第33話 感想

先日「夢で見たあの子のために」 第33話を読みました。

以下ネタバレ注意











前回までの話で、古い寺の本堂で「火の男」と遭遇した千里は「火の男」との戦闘に突入した。腐った床板に足を取られた「火の男」の頭に斧を振り下ろした千里でしたが、ギリギリ踏み止まり「火の男」を殺害することを回避していました。
「火の男」との因縁にも決着がついたかと思われたのですが、「火の男」の言動に辻褄が会わない部分があったため、千里は目の前にいる男が「火の男」ではなく「偽者(ダミー)」であることに気が付いたのですが・・・




ダミーの男は元々探偵だったが、ギャラの良さに釣られて裏社会の仕事を引き受けたことがきっかけで、裏社会のしがらみから抜け出せなくなり、今回「火の男」に妻と娘を人質に取られ使い捨てで利用された男でした。
(「火の男」は千里にダミーの男を殺させることで罠に嵌め自分の犯罪活動の仲間に引き込もうと企んでいた)

ダミーの男の話によると「火の男」が裏社会周辺の人間から「ネズミ」と呼ばれている理由は、江戸時代の盗賊「鼠小僧」のように強奪した金の「半分」を貧しい者たちにバラ撒いているからなのだとか。
以前千里がカツアゲで巻き上げた金を「半分」持ち主の返していたのと少し似ている(?)感じがしますが・・・、奪った金を独り占めするより半分バラ撒いた方がそれで味方になった人間も利用できるし仕事がスムーズに行えて都合がいいんでしょうかね。
(以前一登が頭部に重傷を負った時も町医者が通報せず治療していたし、味方になる人間も意外といるとか?)

千里によると「子供だった一登に強奪行為は正義の行いだと、自分を正当化する為の偽善行為だろう」とのこと。(←ちょっと「経験者は語る」みたいな感じで、千里と「火の男」は意外と発想が似ているのかも?)
一登は悪人を殺して金を奪うことに関しては躊躇がなかったようだし、殺し屋として育てられたためとはいえ納得した上で「火の男」の仕事にこれまで協力していたようなのですが・・・



千里へ
俺の都合で千里を巻き込ん
でしまった。 すまない。
厄介事は俺が取り除くよ。

13年前のあの日俺は
壊れてしまった。
千里は決して壊れるな。

昔千里と行った鉄塔の
思い出が俺の宝だ。
あの頃の俺を覚えていてくれ。
一登



一登が千里に宛てた手紙には「13年前のあの日俺は壊れてしまった。千里は決して壊れるな」と書いてありました。
13年前に起きた事件の真相は29話で回想形式で描かれていましたが・・・
正気を失った父親(勇士)が母親(光恵)を包丁で刺殺し、それを目の前で見ていた一登が父親の後頭部に箪笥の上に飾ってあったトロフィーを叩きつけ撲殺していました。

父親の勇士は酒が入ると母親の光恵に暴力を振るっていたのですが、一登が止めに入って殴られることで父親の暴力が終るというのがいつものパターンだったようです。(=一登は母親を守ろうとしていた)。

一登は父親の暴力から母親と千里を守ろうとしており、父親のこともそこまで憎んでいたわけではなかったようですが、13年前の事件があった夜、「火の男」が現れたことで話がこじれ父親の勇士が正気を失い光恵を刺殺してしまいました。
(「怒り」に我を忘れた父親が母親を殺し、そして同じく「怒り」に我を忘れた一登が父親を殺してしまった)

一登は千里への手紙に「13年前のあの日俺は壊れてしまった」と書いていましたが、それは何を意味するのか。
人質になっていたダミーの男の妻と娘は一登のことを「優しかった」と言っており、幼い頃の優しさをまだ失っていないようではあるのですが・・・




一方「火の男」に復讐するために「火の男」の行方を追っている若園刑事ですが、今回更なる怪しげな謎の行動を取っていました。

自宅のシャワーシーンで全裸で登場したのですが、右肩にはなぜか「火の男」とそっくり同じ漢字の「火」の字のような傷跡(?)が付いていた・・・!?

なぜ若園の右肩に「火の男」と同じマークがついているのか? 
「火の男」に接近するための作戦なのかもしれませんが・・・犯罪がらみで何かやらかしそうな怪しげなムードになっていました。
なんとなく一登より若園の方がよっぽど「壊れて」いるのでは?と思えてくるような怪しげなムード・・・(いつも変な柄の服着ているし)



一登も「火の男」と決着を付けようとしているようだし、その一方で若園も謎の行動をとっているし、引き続き今後の展開が楽しみです。


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