ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第1話&第2話 感想

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を第2話まで見ました。
(第1話『「愛してる」と自動手記人形』と、第2話『戻ってこない』)。

作品概要

暁佳奈による日本のライトノベル。イラストは高瀬亜貴子が手掛けている。 KAエスマ文庫より刊行された。「自動手記人形」と呼ばれる代筆屋の少女を中心に繰り広げられる群像劇。第5回京都アニメーション大賞大賞受賞作であり、京都アニメーション大賞史上初の大賞受賞作である。(ヴァイオレット・エヴァーガーデン-Wikipediaより)

以前からCMやPVを見て気になっていた京都アニメーションによる注目作がついに放送開始になりました。

PVを見ても作画のクオリティーが高く、かなりの力作になりそうな雰囲気が感じられて楽しみにしていました。
京アニ作品としては珍しく外国が舞台になっていたり、新境地を切り開こうとする意欲作という感じがしますね。
京アニ大賞初の「大賞受賞作」という辺りも、満を持して登場という感じで、いかにも気合が入っていそうで、期待が高まります。

【登場人物】

ヴァイオレット・エヴァーガーデン
・小さい頃からずっと軍にいて、任務を遂行するだけの毎日を送ってきた。(軍隊の外の世界のことはほとんど知らない)。
・敵国の戦災孤児(?)だったのをギルベルト少佐の兄が拾ってきた。
・軍隊では、「命令されれば戦う、人の形を模しているだけの心を持たないただの道具・武器」と言われていた。
(戦闘マシーンのようだった?)。
・上官であるギルベルト少佐の命令に忠実で、少佐の兄からは「ギルベルトの犬」と呼ばれていた。
・戦争で両腕を失い義手を付けている。
・ギルベルト少佐が最後に残した「愛してる」の意味が知りたくて、「自動手記人形」として働くことにした。

ギルベルト・ブーゲンビリア(少佐)
・ヴァイオレットの上官であり保護者のような存在だった。
・「辺境伯」の称号を持つ名家(軍人の家系)の次男。
・父親とよく似た、生真面目な性格の軍人。遊び人タイプの兄は厳格な軍人である父親を嫌っていた。(「死んでくれてよかった」と言っていた)。
・瞳の色がエメラルドグリーン。同じ色のブローチをヴァイオレットに買ってあげた。

クラウディア・ホッジンズ(社長)
・元陸軍中佐。ギルベルト少佐とは士官学校からの友人。
・大戦終結後は軍を辞め、民間郵便会社(CH郵便社)を創業し社長になった。
・ヴァイオレットが軍の訓練施設にいた時と、大戦決戦前夜と2度会っていた。

↑2話までに出てきた登場人物の情報を箇条書きにしてみました。
ストーリーとしては、ヴァイオレットが「自動手記人形」(手紙の代筆屋)として働くことがメインになっていくみたいですね。
人の感情を理解できない真っ白な状態のヴァイオレットが「手紙の代筆」の仕事を通して、人の想いを知り人間として成長していくストーリになりそうです。

感情を持たない「人形」のようなヴァイオレットが、ギルベルト少佐が別れ際に言い残した「愛してる」の言葉の意味を探し続ける過程でどのように変化していくのか。

軍隊にいた時は、「人形」「道具」「武器」などと呼ばれ、あまり人間扱いされていなかった様子。戦争で、腕を失い両手がメカっぽい義手になっているのもビジュアル的に「人形」であることの象徴になっているんでしょうかね。
どこか「ピノキオ」のような寓話的なモチーフを連想するのですが、ヴァイオレットの過去についてはまだ断片的にしか語られていないので、なぜそこまで感情が無いのか、まだちょっと分かりにくい感じがしました。

「元々親はいない」と言っていたので、拾われて軍隊に入る前はどうやって生きていたのかなど、色々気になる部分もありますね。
なんとなく、狼に育てられた「狼少女」が人間らしさを学んでいく、みたいな印象も受けました。
あと、実直で一直線な性格で軍隊の規律になじんでる辺りは『フォレスト・ガンプ』っぽいかなと思ったり。(第1話の冒頭で、手紙が風に飛ばされて空に舞い上がってあちこちに飛んでいくシーンが、「フォレスト・ガンプ」で鳥の羽毛が空を舞うシーンとちょっと似ているような気がした)。
人の感情が理解できず、言葉を文字通りに受け取ってトンチンカンな手紙を書いてしまうあたり、美少女版「フォレスト・ガンプ」みたいだなと思ったり。(卓球とか教えたら黙々と練習してすごく強くなりそう)。

あと、ほとんど何も知らない白紙の状態(無垢な人間)から色々なことを知っていくという辺りは、『アルジャーノンに花束を』などを連想したりしました。

ホッジンズ社長
「君は小さい頃からずっと軍隊にいて、任務を遂行するだけの毎日を送ってきた。
でもこれから君は沢山のことを学ぶよ。だけど学ばない方が、知らない方が、楽に生きられるかもしれない。
君は自分がしてきたことで、どんどん身体に火がついて燃え上っていることを、まだ知らない」

ヴァイオレット
「燃えていません」

ホッジンズ社長
「燃えているよ」

ヴァイオレット
「燃えていません。おかしいです」

ホッジンズ社長
「いや、燃えてるんだ。俺はそんな君を見ていて放置した。だからギルベルトに君を託された時、
これは俺の機会だと思った。いつか俺が言ったことが分かる時が来る。
そして、初めて自分が、たくさん火傷していることに気付くんだ」

幼い頃、親に育てられなかったため(?)、人間の感情を学ぶ事がなく、機械で出来た「人形」のようなヴァイオレットでしたが。
ギルベルト少佐が最後に言った「愛してる」の一言がきっかけで、自分の中にある「人間」としての「感情」に目覚めつつあるようです。

しかし、そのギルベルト少佐の生死は不明。(社長は「あいつはもう戻ってこない」と言っていたので、死亡している可能性が高いのですが・・・)。

感情が無いヴァイオレットが、人の想いを理解することでどのように変わっていくのか。
上で引用したのは、第1話のホッジンズ社長とヴァイオレットの会話ですが、
「学ばない方が、知らない方が、楽に生きられるかもしれない」というセリフがどんな意味があるのか気になります。

もしギルベルト少佐が死んでいても、「人形」だったら感情が無いので悲しさを感じることもないし、戦争でたくさん人を殺してきたことも、感情が無ければ何とも思わないんでしょうけど、人の心を理解するようになって、自分の過去と向き合うということになるんでしょうか。

「自動手記人形」(手紙の代筆屋)として働きながら、段々過去が明らかになっていくんでしょうかね。
2話まで見たところでは、まだ明らかにされていない部分が多いように感じましたので、
これからどのようにストーリーが展開していくのか楽しみです。




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