ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第5話 感想

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第5話(『人を結ぶ手紙を書くのか?』)を見ました。

第5話の内容

・戦争中敵国関係だった二国のシャルロッテ姫とダミアン王子が和平のため婚姻することになった。

・国民に両国の和平を宣伝するため「公開恋文」が行われることになり、ヴァイオレットが恋文代筆のため派遣される。

・政治的思惑が絡んだ婚姻だったが、姫は以前一度だけ王子と会話したことがあり、淡い恋心を抱いていた。

・姫は「公開恋文」に、さりげなく二人の思い出を想起させるキーワード(「月」と「花」)を挿入し、王子の反応を探ろうとした。だが、王子の返事は美麗な言葉が並んだ形式的なもので、姫はがっかりして不安になる。

・王子の恋文を代筆しているのが同僚のカトレアだと気づいたヴァイオレットはカトレアと協議して、姫と王子に手書きの手紙を書くように勧める。

・正直に書かれた手紙のやり取りで、お互いの気持ちが通じ合い、王子は姫に正式にプロポーズした。

今回は敵同士だった二つの国のシャルロッテ姫とダミアン王子が結婚する話。

国同士の和平のための政略結婚ですが、「公開恋文」で国民に王子と姫の婚姻を大々的に宣伝する、という面白い設定になっていました。

「恋文」って普通は二人の間だけの秘密のやり取りだと思うのですが、それをあえて両国の国民全員に向かってフルオープンにして宣伝するという。

「ロイヤルウエディング」ってお祭りみたいなもので皆大好きでしょうからね。
恋文とか公表されたらその度にうわさ話で盛り上がれるわけだし。
王子様とお姫様の結婚とかおとぎ話から少女漫画まで古今東西物語の題材にされまくりでもあり、
国家レベルの祝祭として誰にとっても喜ばしくめったにない大イベントという感じがしますね。

今回は軍からの依頼で、ヴァイオレットが恋文を代筆するためシャルロッテ姫の元に派遣されていました。

第2話では、トンチンカンなラブレターを代筆して、街の娘さんの恋愛をぶち壊しかけていたヴァイオレットでしたが・・・。

その後数か月経過していて代筆の経験をかなり積んだようですが、王族の恋文の代筆という重要任務に選ばれる程の実力を身に付けているとか、超人的な成長速度ですね・・・。

―― 例えば、それは夜空に浮かぶ月を見上げた時

私は欠けた月を、ひらりと舞い落ちる花弁のようだと思います

そして次にこう考えるのです

あなたは同じものを見て何を思うのかしら、と

上で引用したのは、ヴァイオレットが代筆した1通目の恋文。
以前は軍隊の報告書みたいな文章しか書けなかったヴァイオレットでしたが、驚異的な学習能力で知識を吸収したらしく、お姫様もびっくりの美麗で優雅な文面の恋文をさらっと書いてみせました。

姫様が指定したキーワード「月」と「花」も自然に組み込まれており、なかなか上出来の恋文が書けたようです。

「月」と「花」の指定ワードは、4年前シャルロッテ姫の10歳の誕生パーティーで、姫とダミアン王子が出会った時の思い出を想起させるキーワードでした。

格調の高い形式的な恋文の中に、さりげなく王子との思い出のキーワードを組み込むことで、王子からのリアクションを期待していたシャルロッテ姫でしたが・・・。

王子からの返事の恋文は、いかにもドールが代筆したエレガントだけど形式的な文面で、かつて出会った時の面影が感じられるような手紙ではなく・・・。王子の本心が分からないまま形だけの恋文のやり取りを繰り返すうち不安になったシャルロッテ姫。

王子の恋文を代筆しているのが同僚のカトレアであることに気が付いたヴァイオレットは、気を利かせてカトレアと協議し、それ以後は王子と姫にそれぞれ本人による直筆の手紙を書いてもらうことにしました。

姫がヴァイオレットに書かせた代筆の恋文に対して、ドール(カトレア)に書かせた形式的な恋文を返すだけだったダミアン王子でしたが、自筆の手紙を書くことをすすめられたことで、

あの月の夜、白椿の庭での俺のことを覚えていますか

と、初めてシャルロッテ姫に対して自分の言葉で率直に話しかける手紙を書きました。

そもそも、ダミアン王子としては公開恋文とか好き好んでやってるわけではないだろうし、代筆させた手紙の中にキーワードを忍ばせて密かに意思疎通を図るとか、そういった器用なことができる性格でもなかったということでしょうかね。

ヴァイオレットが機転を利かせ、
お互い手書きの手紙を交換するようになって、初めて姫と王子は心を通じ合わせることができるようになりました。

そういえばシャルロッテ姫の両親(国王と妃)は全然出てきませんでしたが、どんな親だったのか。
もしかすると、政略結婚の道具として愛のない形だけの結婚をさせられていたとか・・・?

姫は着せ替え人形みたいにドレスを着せられたり、10歳の頃から政略結婚の「道具」のように使われていたり。
「人形」「道具」のように扱われていたという点では、ヴァイオレットと似たところがあったような印象でしたね。

育ての親である宮廷女官の侍女が、姫にとっては愛を与えてくれる存在になっていたのかなと思いました。
(婚礼の朝、姫は侍女に跪いて感謝を捧げていた)。

今回は、ヴァイオレットの年齢が姫と同じ14歳という話も出てきました。
(孤児なので、正確な年齢は分からないけど多分14歳ぐらいだろうとのこと)。

ということは10歳ごろから戦場に出て戦闘マシーンのように戦っていたということでしょうか・・・?
学習能力が異常に高かったり、ヴァイオレットが何者なのか今のところまだかなり「謎」が多いですね・・・。
(まるでサイボーグのような超人ぶり)。

今回、最後にギルベルト少佐の兄である「ディートフリート海軍大佐」が登場していました。
多くの命を奪ったその手で、人を結ぶ手紙を書くのか? 
と、ヴァイオレットに言っていましたがどういった事情があるのか。
なんだか昔、部下を何人もヴァイオレットに殺されたらしく逆恨みしているみたいですが・・・。

生死不明のままのギルベルト少佐ですが、その後どうなったのか。
その辺りの展開も動き始めそうで、引き続き楽しみです。




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする