「夢で見たあの子のために」 第10話 感想

先日「夢で見たあの子のために」 第10話を読みました。

以下ネタバレ注意

前回、電車に乗ってどこかに向かっていましたが、着いたのは13年前の事件の後廃屋になっている千里の実家でした。(恵南も一緒について来た)。

兄の一登が家の床下に段ボールに入った写真を見つけたという話をしていたことを思い出し、床をあけてみましたが、既に段ボールの中は空になっていました。(誰かが持ち去った?)

一登の話によるとその段ボール一箱分の写真には、双子の父親と母親が写っていたとのこと。
別にいかがわしい写真というわけでもないみたいだし、なんでわざわざ床下に隠していたんでしょうかね・・・?
一登は父と母が「隠し事をしている」「証拠の品をみつけた」と言っていました。

写真以外にも、もう一つ「何か」を見つけたらしいのですが・・・。
その時、一登が何を見つけたと言っていたのか思い出せない千里。
記憶を確かめるため、その話をした場所である山の上の「鉄塔」を再び訪れることにしました。

参照:第6話感想

第6話では山の上の鉄塔を目指すことで、幼い頃の「二人で一人」というような双子の関係性が描かれていました。

「一登」の名前の由来が「一番高いところに行けるように」という意味。
「千里」が「一番遠くへ行けるように」という意味で名付けられたとのこと。

5歳の頃としては、最も高くて遠い場所である「山の上の鉄塔」まで二人で冒険に出て、力を合わせて鉄塔までたどり着いた時の達成感は「ハンパなかった」「二人一緒なら何でもできると思った」と語られていました。

そんな「二人で一人」の双子の関係性も、事件で一登が殺されて終わってしまいました。

千里にとって双子の片割れを失うことが何を意味しているのか?
それは、自分が自分ではなくなるというようなアイデンティティーの崩壊(喪失)なんでしょうか。
あるいは、もう一人の自分が死ぬという疑似的な死(生きたまま死ぬということ)を意味するのか。

一登と一緒にいるときには鉄塔を目指して冒険に出たり、「高くて遠い場所」を目指して前に進もうとしていた千里でしたが・・・
一登を失った後は、犯人への復讐を人生のゴールと考えるようになって、それ以外には何も目指すものがない人間になってしまいました。

今回、恵南が千里のあとを付いてきて一緒に山の上の鉄塔までたどり着いていました。

恵南:
千里にはさ、決定的に欠けてる物があるよ。 何だと思う?

それはね「未来を想う力」だよ

あたしは「生きたい」って思ってるよ。 生き続けるために一生懸命考えて行動する

千里は「生きたい」って思ってないでしょ。 だから行動が場当たり的なんだよ

前に「子供たちに自分の姿を見せたい」って言ったけど

自分の姿を見せたい相手ってホントは幼い頃の自分なんだと思う

幼い頃の自分に側にいて欲しいって思ってもらえる自分になりたい

その為に今出来ることを積み重ねて、ちょっとずつでもその姿に近づこうとしている

その先にあたしが思う未来の姿がある。 その未来のために生きたいんだよ

復讐が生きがいで、そこがゴールだなんて思わないで

千里・・・「生きたい」って思う未来を想像して

恵南が言う、千里に「決定的に足りてない物」とは、「未来を想う力」とのこと。
一登が殺されたという「過去」に強く執着している千里にとって、犯人に復讐すること(犯人を殺すこと)が生きがいであり、人生のゴールだと思っているようです。
復讐が人生の目的でゴールということですが、何かそれにとって代わるような、「生きたい」と思えるような大事な物が見つかればまだ千里も「未来」のために生きることができるようになるんでしょうかね・・・

ところで、

今回終盤、大きな新展開がありました。(ネタバレになりますが)

夜になると森の中が真っ暗になるので、そのまま鉄塔の足元で野宿することになった千里と恵南。

夜中ぐらいなんでしょうか、突如13年ぶりに双子間の「視覚の共有」が起こりました。
(=一登が生きていた!)。

しかも、視覚共有で映し出されていた映像の場所は、前回出てきた闇金(百宮金融)の事務所ビルでした。

第3話では、感覚の共有で頭部に強烈な衝撃を受け、それを最後に視覚・感覚の共有が途絶えていました。
しかも、その時の頭部への衝撃で感覚を共有していた千里も3日間昏睡状態に陥り、目が覚めた後には「一登が死んだ」「自分だけ生き残っちゃった」と言っていました。

感覚を共有していた千里が、「一登が死んだ」と言い切っていたので、これは本当に死んでしまったみたいだな・・・と思っていたんですが・・・
まあ、死亡シーンがはっきり描かれていたわけではないので、若干まだ生きてるかも? と思ってましたけど。
しかし、このタイミングでいきなり出て来るとは思わなかったので、全く予想外でびっくりしました。

しかし、一登が生きていたのは良かったんですけど、なんか色々謎がありますね・・・

なんで13年も視覚共有が途切れていたのか。それも視覚共有で見えたのが百金(闇金)事務所の玄関前という。
千里が住んでいた街のすぐ近くに、一登もずっと住んでいたんでしょうか・・・?

そういえば廃ビルの屋上で、千里が自称「金貸し」の二人組と遭遇した時、
「トボけんな坊ちゃん」と言いながら二人組が初対面の千里に対し問答無用で襲い掛かってきましたけど、実は一登と面識があって顔が同じだから間違えられた? ということだったんでしょうか。
「金貸し」の仲間らしい男が、「火の男」の返り討ちにあって廃ビルの屋上で焼死体で見つかったという話もあったし・・・

視覚共有で鏡に映っていた一登らしき人物は、フードを被っていて顔は見えないけど、口元に冷ややかな笑みを浮かべていて、どことなくダークサイドっぽいムードが漂っているように見えなくもないような・・・。(まだ分かりませんけど)。

でも、殺されたと思っていた一登が生きていたということは、もう復讐する必要もなくなる、ということになるんでしょうか。

でもまあ、13年も離れ離れだったわけだから、もう幼い頃みたいに二人で一人という感じでもないんでしょうかね。
(もしかするとそれぞれお互い全然別の人間になっているかも)。

一人じゃんけんで千里はいつも鏡に向かって「チョキ」を出していましたが、今回視覚共有で鏡に映っていた一登は「パー」を出していました。

千里が出しているチョキは「ハサミ」でもあるわけですが、ハサミというのも2つの刃が対になって機能する道具ですから、イメージ的に双子を象徴する道具でもあるんでしょうかね。
(千里が「チョキ」こだわるのは、ハサミのように双子が一対で揃っている状態に戻りたいという思いの表れという意味もあるのかも?)。

ハサミと言えば第1話で、千里が描いた「犯人の絵」を、千里がハサミで半分にちょん切るという場面がありました。

ハサミの両刃のように、二人そろった千里と一登が共闘するみたいな展開もあるのかどうか。
一登を連れ去った後の、犯人である「火の男」と一登がその後どうなったのかなど謎が多いですね。

二人で一人のような関係性だった幼い頃の千里と一登ですが・・・
死んだと思っていた兄の一登が実は生きていたことで、二人の間に何が起きるのか。

今後の展開がさらに楽しみになってきました。






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