先日「夢で見たあの子のために」 第49話を読みました。
以下ネタバレ注意
一登:
あいつを刺したのが何でだかわかるかい?
「おっさんを助ける為」ってのとは少し違うんだ
全部俺の勝手な都合だ
怖かった・・・
俺は親父を殺してるから 警察に捕まったら死刑になると思ってたんだ
ただ自分が助かりたい一心だった
俺が生きていく為におっさんが必要だった
俺は父親が欲しかったのかなあ
・・・今日まで殺せなかった
今回一登の回想シーンで、「火の男」が若園の父親と遭遇した時のエピソードが語られていました。
若園によると若園の父親は警視庁でも屈指の武道の達人だったそうなのですが、若園が中学生の頃に「火の男」との対決で殺害されていました。
今回、一登の回想で「火の男」と若園の父親の対決の場面で何が起きていたのか語られていたのですが・・・若園の父親はとんでもなく強い男だったらしく、裏社会では無敵だった「火の男」もまるで子供扱いで一瞬で肩を極めて取り押さえていました。
以前若園が「火の男」に挑んで返り討ちにあった時、「あんたが親父に勝ったのはマグレだ!」「僕がそれを証明してみせる!」と言っていましたが、どうやらそれもハッタリではなく本当だったようで、若園の父親は段違いの達人だったようです。
若園の父親によって「火の男」は取り押さえられ身動きできなくなっているし、「火の男」に連れ去られていた一登が警察官である若園の父親に保護されて無事決着になるのかと思いきや・・・
突如幼い一登が若園の父親の腹をナイフで刺し、その隙に「火の男」が首をナイフで切り、若園の父親は死んでしまいました。(若園の父親は一登を助けようとしていたのに、一登は腹をナイフで刺してしまった)
一登:
思うんだけど13年前のあの日
俺は壊れたんだ
元の世界に戻ろうなんて 考えもしなくなってたよ・・・
医者:
一登違うぞ
お前は自分の意志で殺人者になった訳ではない
父親を殺してしまったのも 母親を助けようとした幼い子供の過失じゃ
お前は蓮士にマインドコントロールされとるんじゃ
「犯罪を実行するしかない」状況に追い込まれとった
お前のとった行動の事を「緊急避難」というんじゃ
お前に責任は無い
悪循環の連鎖から抜け出せなくなって十数年殺人を繰り返してきた一登でしたが・・・やはり最初に父親を殺してしまった事が大きなショックとして残っていたようで、蓮士に巧妙にコントロールされて、泥沼にはまった状態からこれまでずっと後戻りできなくなっていたようです。
「自分で選んだ」「(蓮士を)父親として認めていた」と言っていた一登ですが、それも蓮士がそう思うように仕向けていたからという感じもするのですが・・・
一登を助けようとしてくれていた若園の父親と出会った事はその後の運命を変えるチャンスになったかもしれませんが、自分でその機会をフイにして犯罪稼業の蓮士に従うことを選んだことで悪循環の泥沼から抜け出すことが出来なくなってしまいました。
そんな一登でしたが、頭部の銃弾の影響でいつ命を失うか分からないし里子さんとの間にできた赤ん坊の「万里」と出会って自分が父親になったことから、ついに悪循環の連鎖を断ち切るため蓮士と決着をつける決意を固めたようです。
一方で、それぞれ裏に思惑がありつつ相棒関係の若園と「火の男(蓮士)」ですが・・・
蓮士は自分の家族にこだわりが強いらしく一登と同じく「万里」を新たな殺人者として育て上げるべく「万里」の居場所を突き止めようとしており、若園は「火の男」に協力する振りをしながら、自分を囮にして一登を呼び込み「火の男」と一登を対決させ、自分の手で「火の男」にとどめを刺す機会が来るのを狙うつもりのようです。
一登は蓮士だけではなく若園もまとめて始末するつもりのようですが、それぞれ思惑と因縁が絡みあっていてどんな決着をつけることになるのか。(今回若園の父親の殺害に一登も関わっていたことが判明していたし若園と一登との間にも割と因縁深いものがありそうでしたが・・・)
引き続き今後の展開が楽しみです。